集中力 / 谷川 浩司
2009/04/17
仕事中の集中力を高めたいと思って、集中力についての本を2冊買い込んだ。
これはその1冊目。
ノウハウというよりは、エッセイというか将棋道というか。
集中力というテーマについて、将棋界のトップランナーがいろいろ語ってくれる。
「負けず嫌い」「弟」という共通項があったからか、
書き方がわかりやすいからなのか、文章にとても共感しながら読めた。
本の主旨の中で、印象に残った部分をメモ。
・集中力の基本は、「好き」であることの持続。
・悔しさをパワーに変える「できた!」という喜びが、エネルギーの源。
・勝負に限らず、自分のペースを守り、集中力を維持するには、感情をコントロールすることが大事。
・流れが読めれば集中力は持続できる。
ちょっとしたミスがゲームを大きく左右する。
そのミスには、それ以前に誘発する他の要因がある。
例えば、野球で投手が無駄な四球を出すと、その回は零点に抑えても、次の攻撃のリズムが壊れてしまう。
流れが途切れてしまい、チーム全体の集中力が切れてしまう。
いったん切れた集中力を取り戻すのは大変。
・勝負を進めるときの2つのポイント。
1、優勢の時には、相手の指し手の選択肢をできるだけ少なくすること。
その方が、迷わずに読んでいきやすい。
2、不利なときは、相手の選択肢を多くすること。
いろいろ読まなければならないとなると、相手は迷いやすく、ミスが生じやすくなる。
相手のミスを待つわけではないが、苦しい将棋に勝つには相手がミスをしなければ勝てない。
・相手が攻めてくる一手前に攻めるのが理想的。
相手が攻めの陣形を組み立て、「次に攻めよう」としている時は、攻守のバランスが崩れる。
そこを狙って攻めを仕掛ける。
そうすると、相手の攻めようとしている駒が遊び駒になり、陣形が手薄になる可能性がある。
その他。心に残った一節。
・新聞記者が記事を書くとき。
直接取材をしなくても、本や雑誌などの資料を集めれば100行のうち95行は書ける。
しかし、残りの5行は実際に会って話を聞かないと、いい記事にならない。
・「夜明け前というのは、実は一番暗いのです。」
今の心の闇が深ければ深いほど、明るくなるのもじきだ。
努力を続けていれば花も咲くはずだ。
about me
@remore is a software engineer, weekend contrabassist, and occasional public speaker. Read more